SMILE make SMILES

ダイバーシティとユニバーサルデザインに興味あります。

市場移転のニュースを見て

豊洲市場移転、小池百合子都知事が「築地は守る・豊洲を活かす」新計画を発表 築地再整備
http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/20/tsukiji-yuriko_n_17218046.html

個人的見解でいうと、少し無駄に時間がかかったけど、落ち着くべきところに落ち着いたなという印象です。

今更になって築地の再整備(ましてや営業しながらの)なんて愚の骨頂だと思っていたので、都民としてこの決定を歓迎したいというところです。

初めて築地市場豊洲に移転すると聞いた時にはかなり疑問がありました。
豊洲は、地元(越中島という田舎臭い名の土地です)のすぐ南で、工場と倉庫と都営住宅と評判のよろしくない(あくまで当時の話です)土地柄で有名なエリアでした。
市場予定地がガス工場だったのも有名な話で、健全な土地でないことは明らかでした。

ただ、東京湾からそれほど離れず(水産品の取り扱いに重要)、交通の便も悪くなく、一定の面積を取れる場所で、かつ健全な土地など皆無に等しいのもまた事実です。

だったればこその築地再整備という議論が起こるべきだったし、実際そういう議論もあったはずです。

しかし、豊洲移転も、築地再整備も中途半端なまま、済し崩しで豊洲移転が進んでいきました。

もし、もっと早い段階で具体的な(期間、費用、整備中の安全確保etc)築地再整備案があれば議論に値しますが、そんなのあったんでしょうか?

その上、市場移転と関係あったのかは不明ですが、ここ数年で豊洲という土地のブランドが、それこそ180度変わっていきました。
工場や倉庫に変わってタワーマンションが林立し、セレブ感の漂う豊洲(今ではベンツのショールームまである)なんて、"あの頃"の豊洲を知る(しか知らない)私のような人間には想像もつきません。

本来、そういう土地のイメージは市場移転とは無関係ですが、かといって、イメージというものを無視するのもまた至難です。

石原猪瀬舛添の頃の土壌調査に誠実さの欠片もなかったことは残念極まりないし、それが今回の混乱を招いたのは明白なので、そこは糾弾されるべきです。また、土壌汚染対策が盛り土だったのに、いつの間にか別工法で施工されていたのも大変な問題です(「いつの間にか」というところが、という意味です)。

しかし、土壌の汚染が全くない土地を見つけることも、元よりある汚染をゼロにすることも限りなく不可能に近いことです(私は築地も含めてそうだと思っています)。

本質的に重要なのは、実際食品を扱う建物の中がきちんと管理されているかどうかです。
言い換えれば、土壌の汚染が影響しないようにできているかが本質的問題です。
そこを無視して、豊洲は危ない土地だと危惧して、ましてや市場移転を白紙に戻すなんてことはありえない議論だと私は思います。

小池都知事としては、本来自分の力ではどうにもならない部分にも果敢にメスを入れようとしたというところだと感じます。その過程や流れにはいささかの疑問がありつつも、現実的な結論に至ったことは歓迎したいと思います。

まあ、ご批判の向きもあろうかと思いますが、個人的な見解ですので、悪しからず。