SMILE make SMILES

ダイバーシティとユニバーサルデザインに興味あります。

ボクがデジタル一眼レフを手放した理由

昨年秋、所有していたデジタル一眼レフとレンズ一式を手放しました。

PENTAX K-x(オーダーカラー・ライトグリーン)
PENTAX DAL 18-55
PENTAX DAL 55-300
(DAL2本はキットレンズ)
PENTAX DA 10-17 FISH-EYE
SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

購入したのは2010年。

所有歴7年。

正直、年数の割には出動回数はイマイチでした。
それは偏にボクの意識の問題ですが、それはそれなりに理由があるなと思い、今一眼レフ導入を考えている人の参考になればとまとめてみます。

影技術が向上しないことは手放した理由ではありません。
影技術が向上しなかったのは紛れもない事実ですが、それは(生まれ持ったセンスとか、美的感覚を抜きにすれば)デジタル一眼レフで撮影する頻度を上げられなかったことが大きな要因です。
その頻度を上げられなかった、そして今後も頻度を上げられないと思った理由こそが、一眼レフを手放す要因です。

その第1の理由は、カメラの大きさです。

そんなの買う前に気付けよって話ですが、実際持ち運んでわかることもたくさんありました。

カメラを購入した2010年、我が家には2人の子どもがいて、当時5歳と3歳、お出かけに必要な荷物は親が持たねばならない状況でした。その上、お出かけしてくたびれれば抱っこも必要です。
その後も2人の子をもうけまして、しばらくそんな状態は続いてました。
そうなると、ただでさえ大荷物&抱っこのところにかさばる一眼レフは相性が悪いのです。

ならば、通勤で持ち歩いてスナップを、とも思い、カメラリュックを通勤バッグとして使ってみたりもしましたが、やはりこれもかさばる。かさばる割には荷物(カメラ以外の仕事の荷物)が入らない。
カメラバッグにこだわらず、と思っても、結局主役のカメラのサイズが基準になって大きなバッグになってしまうし、カメラバッグじゃない大きなバッグは、カメラを出すには向かないんです。どうしてもバッグの底の方にカメラが入ってしまうので。

第2の理由は機動力です。

これは子連れで撮っている時に感じたこと。

首から一眼レフを下げている状態だと、子どもに何か起きた時にいろいろ不都合があります。

一番感じた不都合は、とっさに子どもにアプローチした時、勢い余った一眼レフが子どもにゴッツンコすることです。
あと、子どもが何か落としちゃった時に、何も考えずにしゃがんで地面に一眼レフがゴッツンコっていうのもしょっちゅうです。

子どものためにも、カメラ(主にレンズ)のためにも、子どもを撮るときはカメラマンに徹して、子どもから離れるのが対応策なんでしょうけど、それは我が家の子育て方針から外れているし、必ずしも家族全員(というか、夫婦揃って)出かけるということでもないし。
子連れで出かける時には、いつでも不測の事態に備えたいというスタンスと一眼レフが、ボクとしては合わなかったんですね。

第3の理由は、撮影時間捻出の難しさです。

せっかく子どもがいるから、子どもを被写体にしたいとは思いつつ、結局前項の機動力問題があって、子連れで一眼レフを下げるのは遠ざかる一方。

通勤のスキマ時間に撮るということに関して、これはチャレンジしたことがあるんですが、なかなかどうして。

90分の通勤時間のうち、電車の乗車時間が乗り換え含めて60分。(通勤時間60分の一時期は30分)
この間は撮影不可時間でもあります。

車通勤であれば、「お、この風景!」と思ってちょっと止めて撮るなんてできるでしょうが、電車では無理。車窓にいい風景があっても、車内から撮るのは憚られるし、次で降りて戻るって言っても場所がわかるとは限らない。だいたい、後からその場所に着いてもその一瞬はすっかり逃しているし、そもそも、半分以上地下鉄だし。

泊まり明けで撮影行というのもやってましたけど、よっぽど行きたい場所が思いつかないとなかなか難しい。電車移動ということの限界(移動時間・移動範囲)もありますね。切符代だってかかるし。お迎え行かなきゃだし。

休みの日の空いた時間、ちょっと撮りに出るか〜なんてこともないです。休みの日に空いた時間なんてそれほどありません。一眼レフ片手に一人でふらっと…なんて、憧れの世界です。

一眼レフに憧れるきっかけは、鉄道写真家の中井精也先生でしたから、鉄道写真を極め…るのは難しいとしても、ちょっとかじりたいなって思ってましたが、鉄道写真を本気で撮るには、技術やセンス以上に根気と機動力、それを支える時間と資金が必要であることを痛感しました。ボクには時間も資金も不足していたんです。

第4の理由は、実はこれが大きな理由ですが、一眼レフでなければならない場面がなくなってしまったということです。

今まで上げた3つの理由があっても、「それでも、いざという時には一眼レフだよね」ってなれば手元に置いておくんでしょうけど、そんな“いざという時”がなくなってしまいました。

サブ機として持ってるコンデジ
一時期はRICHO GR DIGITAL4、それを手放して少しして入手したのがPENTAX MX-1。

GRは少し使い手を選ぶ単焦点デジカメで、MX-1はエントリー一眼レフを凌ぐ性能を誇るズーム対応デジカメ。

どちらもサブと呼ぶにはもったいないほどの名機。
一眼レフを持ち出さずともそれなりの写真が撮れてしまう現実。

しかし、それ以上に“いざという時”を奪ったのは、スマホのカメラです。

K-xを購入した当時、ボクの携帯はガラケーでした。
ガラケーのカメラがオモチャだったことが、一気にデジタル一眼レフへの扉を叩かせたのも事実です。
2012年の春、携帯がガラケーからスマホ(型落ちのAndroid)になりました。
Eye-Fi搭載でデータのバックアップやパソコンへの移動がスムーズ。SNSへの投稿もすぐできる。ただ、シャッターの反応が悪い(タップしてから撮るまでのタイムラグがある)のと、画質がまだまだで、やっぱり一眼レフだなと。
ところが、初代Androidがすぐ不具合で、半年でiPhoneに乗り換えまして、そこから潮目が変わるというか。iCloudの利便性もあり、5s→6→Xと替えるたびに画質も向上。シャッターのタイムラグも、カメラと比べればあるものの、Android機とは比較にならないし、こどもの動きが落ち着いてきたこともあって困らないレベルに。

となると、もうiPhoneのカメラで事足りてしまうんですね。

SNSで見た、素人さんに「どんなカメラがいいか」と聞かれたプロカメラマンが用途を「持ち運びが楽でさっと出せて簡単に撮れる。写真は主にSNSに使う」と聞いて、スマホと答えたという逸話には深く納得する。

というわけで、あっさりデジイチは手放しました。
尊敬する中井先生にお褒めいただいたオーダーカラーだったので、そこは惜しいところでしたが、後悔はしていません。

時間とお財布に余力があれば、素人カメラマンにとってもデジイチは素敵なツールだと思います。
高級コンデジスマホのカメラ性能を考えると、初心者でもエントリークラスではなくてミドルクラスを持つくらいがいいでしょう。

でも、子育てのスナップをメインに考えておられるならば、時間とお財布の他に、カメラマンに徹することができるかどうかも導入する上で考えた方がよさそうです。

これからという方のご参考になれば。