SMILE make SMILES

ダイバーシティとユニバーサルデザインに興味あります。

障害者の表記よりも気になること

「障害者」という表記について、しばしば議論が起こる。
「害」の字のイメージが悪く、「障害者」の差別につながるってことで、「障がい者」「障碍者」という表記にすべきと。
「碍」の字が常用漢字になっていないため、「がい」の表記が比較的多く、窓口や部署の表記を「障がい者」に変更している自治体もある。

しかし、このことに言及した熊谷俊人千葉市長の意見が、私の思いと合致した。

障害者の表記を変えたことで、差別がなくなることに何も寄与しない。
何らかの不自由があっても障害なく生活できる社会作りが進めば、ことさら「障害者」と括る必要さえなくなるはずだ。

ところで、障害者の表記よりも気になっていることがある。
それは「健常者」という表記。
「日常生活に障害のない人」を指す言葉が、なぜ「健常者」なのか。
体(広く身体上の機能という意味で)に不自由がなくても、病気になったりケガをすることはあたりまえにあるが、そのことだけで健常者が障害者になることはない。
逆に、体に不自由があっても、それ以上のケガや病気がなければ「健康」なのに、健常者とされることはない。
「健常者」という表記は、体に不自由がないことに対する驕りと言っても過言ではない。

体の不自由の有無で分ける社会から、誰もがありのままであたりまえに幸せになれる社会へ。
そんな社会が実現したとき、障害者という言葉とともに、健常者という言葉もいらなくなるだろう。