SMILE make SMILES

ダイバーシティとユニバーサルデザインに興味あります。

舵を切る

ハイパー児童館ぷれいすの構想をツマに話した時、ツマから返ってきた答えには衝撃を受け、落胆し、自信をなくし、意欲を削がれたことを鮮烈に記憶していて、ちょっとしたトラウマになってさえいます。

「それが"いいこと"なのはわかるけど、なぜ"あなたが"やらなきゃいけないの?」(あなたがやる必要などない)
「収入はどうなるの?家計のこと考えているの?」(家計が支えられるわけがない)
「子どもの手が離れてからやるか、誰かにやってもらって手伝うかにして」(あなたが実現できると思えない)

一番身近な存在に、一番やりたいことを全否定されることのショック。

義母(ツマの母)からも、「やろたいことがあるんだから身体を大事にしてね(うつ治してね)」と言ってもらえたのに。

それからは、ハイパー児童館ぷれいすを実現できない言い訳ばかり言い立てるようになりました。
やりたいけどできない自分の不甲斐なさ。
さらに、予期しなかった異動、それも2年連続…

それでも、発信だけは止めずにいました。
ハイパー児童館ぷれいすを諦められない自分がいるのです。

「自分が気付いた問題は、自分で解決するしかない」

幸い、ハイパー児童館ぷれいすについて、応援してくれたり、賛同してくれたりする方が沢山います。

子どもの手が離れるにはあと20年くらいかかる。
20年後の自分がハイパー児童館ぷれいすを立ち上げられるほど元気な保証はない。生きてるかすらわからない。ツマやツマの親だって、自分の親だって、20年後にどうなってるかなんてわからない。子育てしている今以上に大変なことになっているかもしれない。

誰かにやってもらうなんてあり得ない。何にも動いていない構想を言い出しっぺの代わりに引き受けてくれる誰かなんているわけがない。自分でやってみて、初めて具体的に力を貸してくれる人が現れる。
それは、先日のSoarのパーティーでたべまなの鴻巣さんが語られていた。

収入なんてどうにでもなる。なると思えばなる。

ボクは、オットであることからも父であることからも逃げない。そのうえで、自分の想いからも逃げない。死ぬ時に後悔する人生は歩みたくない。死ぬ時に後悔する姿を子どもに見せたくない。

やっぱり、やるしかない。

ツマの目には、応援や賛同と、それに励まされてやる気になっているオットが無責任に映るかもしれません。いや、きっとそう映るのでしょう。

それでもやらねば。

もう一度、ツマにハイパー児童館ぷれいすの想いを語ろう。
賛同も応援も理解もいらない。
ブレーキをかけようというなら、アクセルを踏み込もう。

度胸がないので、先にブログに書いてみた。
さて、なんて言われるんでしょうか。

「あるがまま」「あたりまえ」

Soarに、静岡県浜松市の障害者福祉施設「アルス・ノヴァ」さんのインタビュー記事が掲載されました。
http://soar-world.com/2017/07/14/arsnova/

私が、アルス・ノヴァとそれを運営するNPO法人・クリエイティブサポート・レッツ( http://cslets.net 以下、CSL)を知ったのは、雑誌「ソトコト」の誌上でした。

取り組みや姿勢に共感しましたが、それ以上に、立ち上げや運営の詳細について知りたい!と強く興味を惹かれました。

そして、CSLの理念にも驚きました。
「あたりまえなんておかまいなしにあるがままで過ごす」

ぷれいすをつくるにあたり、何かキャッチーなフレーズをと思って考えたのが
「あるがままであたりまえに幸せに過ごせる居場所、そして社会へ」

「あたりまえ」の捉え方は異なるものの、同じフレーズを使っていることに勝手に親近感を覚えています。

この夏に訪れたい場所のひとつです。

PIECES1周年記念パーティー(2017/7/19)


先日7月19日、「子どもの孤立」解消に取り組むNPO法人PIECES( http://www.pieces.tokyo )の法人設立1周年記念パーティーに参加してきました。

PIECES代表の小澤いぶきさんとはPIECES設立以前から繋がらせていただいています。
小澤さんは、「子どもの孤立」に立ち向かう熱い想いと、周囲を和ませる雰囲気を併せ持ったとてもステキな方です。

小澤さんらしい、熱くて、優しくて、時間オーバーしちゃう(笑)活動報告。

副代表・荒井さんの事業プレゼン。
アイスブレイクの「隣の方にインタビュータイム」。
小澤さんによるメリハリのないユルユルの乾杯(笑)からの立食パーティータイム。

PIECESさんのもつ優しいあったかい雰囲気満載の時間です。

そして、トークセッションが始まります。

ライフネット生命創業者の出口治明さんをゲスト、ジャーナリストの堀潤さんをファシリテーターに迎え小澤さんとの3人によるトークセッションは聞き応え充分の学びや気付きの多い時間でした。

出口さんの「可哀想な子を助けてあげようでは続かない。楽しいことが第一。社会は混ぜこぜが一番いい」とのご指摘には、事業報告にあった

「「支援」しない関わり」にも、先週Soarのイベントで感銘を受けた

「被支援者をつくらない」にも通じる、こういった活動をする上で大切な根っこを改めて感じました。

その他にも、出口さんの引き出しの多さと深さに感銘を受けるコメントが軽妙な語り口で語られました。

「どんな日本にしたいかと言ったら、「こどもの産みやすい社会」に尽きる」
「衣食足りて礼節を知る」
「Young support Old は古い。 All support Allの精神でいかないとこれからの高齢化社会はダメ。困っている人をみんなで支える社会に」
「エピソードとエビデンスは分けて考える」

小澤さんからも
「社会に寛容性が不足しているのではないか。可視化されない困難にどれだけの接点を持たせられるか。心のバリアをどう除いていくかを考えていかないと」
「あまり多様性を訴えすぎると「多様性を受け入れられない人を排除する」という矛盾が生じる。小さな趣味や楽しいことのコミュニティから緩やかに取り組んでいく姿勢をもちたい」
など、温かさの溢れる想いが。

堀さんのファシリテートも素晴らしく、「社会の問題を語る時、大きな主語より小さな主語を意識したい」など示唆に富む指摘もありました。

それぞれのご発言一つひとつでブログ1本かけそうなくらいトークセッションは、時間を忘れさせるほど濃密な時間でした。

トークセッションの後に、様々な形でPIECESに関わる方々からお話がありました。

ゲーム作成プログラムのスタッフ
プロボノ
個人寄付会員
法人寄付会員

それぞれの方が、それぞれの形でPIECESに関わる経緯や想いから、PIECESに対する愛を感じました。

私も今後ますますPIECESを応援していこうと思う夜でした。

soar night out!!!(2017/7/12)からの学びと気付き②

「人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていくプロジェクト」Soar(ソア)。
http://soar-world.com

そのイベント「soar night out!!!」(2017/7/12)に参加してきました。

今回のテーマは

「地域に安心できる居場所をつくる〜子どもも高齢者もその人らしくいられる場を〜」

ハイパー児童館ぷれいす設立を目指す私には真ん真ん中ストライクなテーマ。

お二人のゲストトークから得られた学びと気付きをまとめてみます。

今回は、二人目のゲスト、青山大蔵(あおやまたいぞう)さんのお話から得られた学びと気付きです。

青山さんからは、神奈川県厚木市のアミューあつぎ映画.comシネマ(http://atsugieiga.com)の取り組みをご紹介いただきました。
http://soar-world.com/2017/03/16/cinema/

閉館してしまった映画館を官民連携(PPP=Public Private Partnership)で再生させた青山さん。

ただ映画館を再生させるのではなく、地域の交流拠点としての映画館の再生を目指されました。

私個人の印象では、映画館は特別な場所で、映画を観るって特別なことだったけど、地域にあった小規模映画館(今で言うミニシアター)は、まさに文化的な地域の交流拠点だったという青山さんの信念がそこにはあります。

ただの映画館ではなく、地域の福祉を担う施設として高齢者が立ち寄りやすい雰囲気と料金設定、「映画による学童保育」を目指した放課後上映会、「みんなの学校」上映をインクルーシブ推進事業と紐付けて教員の研修に結びつけるなど、様々な仕掛けを通して、「地域のために映画でできること」を発掘し続けています。

サービスよりもホスピタリティを重視するというお話も印象的でした。

映画を観に来たお客さんが、それ以上にスタッフの方との交流を楽しんでいるなんて、素敵です。

青山さんは、この映画館の事業を通して、街から孤独をなくしたいとおっしゃっています。

「街から孤独をなくすことは簡単ではない。でも、やらなきゃいけない」

私がハイパー児童館ぷれいすをつくって目指すのは、「障害が生む壁や溝をなくしたい」ということ。それも、やはり簡単じゃない。でも、やらなきゃいけない。

信念をブレずに持ち続けることの大切さも学んだ時間でした。

社会インパクト投資…メモメモ…
http://www.kibowproject.jp/investment/impact.html

soar night out!!!(2017/7/12)からの学び①

「人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていくプロジェクト」Soar(ソア)。
http://soar-world.com

そのイベント「soar night out!!!」(2017/7/12)に参加してきました。

今回のテーマは

「地域に安心できる居場所をつくる〜子どもも高齢者もその人らしくいられる場を〜」

ハイパー児童館ぷれいす設立を目指す私には真ん真ん中ストライクなテーマ。

お二人のゲストトークから得られた学びと気付きをまとめてみます。

今回は、お一人目のゲスト、鴻巣麻里香(こうのすまりか)さんのお話からの学びと気付きです。

鴻巣さんからは、KAKECOMI(https://www.kakecomi.org)という団体で取り組む「まかないこども食堂たべまな」のお話をいただきました。

「たべまな」は「こどもは手伝い、大人はカンパ」を掲げ、こどもに無料で食事と居場所を提供する活動。
Soarのインタビューでも取り上げられています。
http://soar-world.com/2016/10/27/tabemana/

今回のゲストトークでは、その活動内容、そこに至るまでの鴻巣さんの歩みなどのお話があり、どれもぷれいすを志す自分の胸に迫るものがありました。

中でも、鴻巣さんがたべまなの活動を進める上で心掛けている
「被援助者をつくらない」
という姿勢にとても共感しました。

対等な関係で、それぞれが場に貢献しあう環境。みんなが主役。みんながホスト。

私も、ハイパー児童館ぷれいすで「障害のあるなしに関わらない居場所」をつくるにあたっては、障害のある子とない子が対等に関わり合う環境をつくるがキモだと思っています。

そして、「裏メニュー」として必要な連携を提供していく。

「関係性の貧困の手当て」を目指す姿勢も見習いたいです。

「ないないづくし」でも、始めてみたらいろいろなことが回り出したというのが響きました。

始めてみないとな。

「LCC vs プロ障害者」から考える空のバリアフリー

もうすっかり議論が進んだこの問題を、何の影響力もない私めが今さら取り上げます。

どうまとめようか…と思っているうちにあれよあれよと論戦が進み、有益無益の様々な情報が流れ、すっかり迷いの境地にハマりこんでいました。

様々な情報の引用を貼ろうかとも思いましたが、とりあえずやめます。

私の個人的な結論です。

バニラ・エアは、奄美空港乗り入れの際、料金抑制の一環として沖留めという形態をとったなら、就航と同時にボーディングスロープを取り入れるべきだった。その不作為は合理的配慮に欠ける対応だった。今後の対応として早急にボーディングスロープ導入すべし。

木島氏との一件を受けて導入することとなったアシストストレッチャーはボーディングスロープに劣る対応です。ボーディングスロープ導入までの次善策としていただきたい。


今回のこの件での論戦で残念なのは、結局障害者と社会のカベが浮き彫りになって、弄ばれて終わっちゃったこと。

障害者 vs 健常者
障害者 vs 社会インフラ
障害者 vs 企業

そんな対立構造からは何も生まれない。

互いに認め合い、互いに自由が保証されるにはどうしたらいいか。本質的な合理的配慮とは何かということの議論が深められたらよかったのに。


今回、木島氏が事前連絡をしなかったことの是非を問う声もあった。

事前連絡をすることで門前払いを食わされるのは完全に合理的配慮の欠如であり、その点、今回のバニラ・エアが批判を受けるのは当然だ。

しかし、事前の連絡がないことで「連絡があればできる配慮ができない」ことまでが合理的配慮に欠ける対応と言えるのか。

「車イスの人は事前に連絡することなしに旅行もできないのか」という声も聞いたけど、してほしい配慮があるなら連絡するのが当たり前だと思う。

食物アレルギーのある人が会食やパーティーに参加する際には、除去食対応について事前に連絡する。
子連れで行っていいか迷う場所に出向く際には、可否や必要な対応について事前に連絡して相談する。
大人数でお店を利用する際には事前に連絡して必要ならば予約する。

だったら、下肢に障害がある人が、してほしい配慮や自身の障害について事前に連絡して依頼や相談することだって特別なことではない。

「健常者なら当たり前にできることが当たり前にできないことがハンディである」ことが事実だからこそ、そのハンディを周囲の配慮でどう解決し克服していけるかが今後ますます問われていくべきだろう。その際に事実の連絡や相談が必要なことが差別だとか合理的配慮に欠ける対応だという意見には首肯しかねる。

障害者が社会にへりくだる必要はない。だからこそ、当然の権利として求めるべき配慮を堂々と、でも可能な限り事前に求めていくべきだ。

とはいえ、ケース・バイ・ケースではあるんだけど。
だから難しいんだけど。

市場移転のニュースを見て

豊洲市場移転、小池百合子都知事が「築地は守る・豊洲を活かす」新計画を発表 築地再整備
http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/20/tsukiji-yuriko_n_17218046.html

個人的見解でいうと、少し無駄に時間がかかったけど、落ち着くべきところに落ち着いたなという印象です。

今更になって築地の再整備(ましてや営業しながらの)なんて愚の骨頂だと思っていたので、都民としてこの決定を歓迎したいというところです。

初めて築地市場豊洲に移転すると聞いた時にはかなり疑問がありました。
豊洲は、地元(越中島という田舎臭い名の土地です)のすぐ南で、工場と倉庫と都営住宅と評判のよろしくない(あくまで当時の話です)土地柄で有名なエリアでした。
市場予定地がガス工場だったのも有名な話で、健全な土地でないことは明らかでした。

ただ、東京湾からそれほど離れず(水産品の取り扱いに重要)、交通の便も悪くなく、一定の面積を取れる場所で、かつ健全な土地など皆無に等しいのもまた事実です。

だったればこその築地再整備という議論が起こるべきだったし、実際そういう議論もあったはずです。

しかし、豊洲移転も、築地再整備も中途半端なまま、済し崩しで豊洲移転が進んでいきました。

もし、もっと早い段階で具体的な(期間、費用、整備中の安全確保etc)築地再整備案があれば議論に値しますが、そんなのあったんでしょうか?

その上、市場移転と関係あったのかは不明ですが、ここ数年で豊洲という土地のブランドが、それこそ180度変わっていきました。
工場や倉庫に変わってタワーマンションが林立し、セレブ感の漂う豊洲(今ではベンツのショールームまである)なんて、"あの頃"の豊洲を知る(しか知らない)私のような人間には想像もつきません。

本来、そういう土地のイメージは市場移転とは無関係ですが、かといって、イメージというものを無視するのもまた至難です。

石原猪瀬舛添の頃の土壌調査に誠実さの欠片もなかったことは残念極まりないし、それが今回の混乱を招いたのは明白なので、そこは糾弾されるべきです。また、土壌汚染対策が盛り土だったのに、いつの間にか別工法で施工されていたのも大変な問題です(「いつの間にか」というところが、という意味です)。

しかし、土壌の汚染が全くない土地を見つけることも、元よりある汚染をゼロにすることも限りなく不可能に近いことです(私は築地も含めてそうだと思っています)。

本質的に重要なのは、実際食品を扱う建物の中がきちんと管理されているかどうかです。
言い換えれば、土壌の汚染が影響しないようにできているかが本質的問題です。
そこを無視して、豊洲は危ない土地だと危惧して、ましてや市場移転を白紙に戻すなんてことはありえない議論だと私は思います。

小池都知事としては、本来自分の力ではどうにもならない部分にも果敢にメスを入れようとしたというところだと感じます。その過程や流れにはいささかの疑問がありつつも、現実的な結論に至ったことは歓迎したいと思います。

まあ、ご批判の向きもあろうかと思いますが、個人的な見解ですので、悪しからず。